3月5日、"Introduction to the Finnish Education System(フィンランドの教育制度について)"という授業の一環で、ヘルシンキの隣町Espooにある小学校 Aurora Schoolを訪問した。
約四人ずつのグループに分かれ、別々のクラスで、授業参観。
まず階段を上っていくと、壁にいろんな掲示物が見られた。The Beatles Week(ビートルズ週間)というイベントがあったらしく、それぞれのバンド(この学校の生徒のほとんどがバンドに所属しているとのこと!)が作ったポスターが貼られていた。
廊下を歩いていくと、教室の前にコート掛けがずらり。コート掛けは大学の各教室にも設置してある。冬のマイナスの気温が普通であるフィンランドでは、コートはみんなが着る必需品。分厚くて嵩張るのでコート掛けがあるのは当たり前のようだ。
生徒がスピーカーから流れる音声の指示を聞き取り、指示通りにSmart Boardと呼ばれるスクリーン上のものを指で動かす。例えば"Put an eraser in the pen case."という英文が流れると、生徒はスクリーン上のカーソルを指で動かして、消しゴムの絵をタッチしてペンケースの絵にドラッグ&ドロップする。他にも英文の並べ替え問題などがあった。
昼食はカフェテリアで8ユーロ程払って食べる予定だったが、学校側の好意で無料で提供された。フィンランドのカフェテリアは、自分で好きなものを好きなだけとる仕組みになっているので、配給の手間が省け効率が良い。ただ、メニューはサラダ・パスタ・ラザニアなどでレパートリーが少なく、献立のバリエーションが多い日本の給食の方が、栄養のバランスの面でもクオリティーが高くておいしい。フィンランドでは、小学生でも英語をある程度話せると聞いていたので、同じテーブルで昼食を食べていた小学2、3年生の女の子に話しかけてみた。返事の一つや二つは返ってきたけれど、みんな恥ずかしがっていて、残念ながらあまりコミュニケーションはとれなかった。
見学の後、最後にコーヒーを頂きながら、教務主任の先生のお話を聞く時間があり、この先生の言葉が印象に残った。
「フィンランドの教育のどこが特別に良いのかは分からないけれど、常に向上心を持っていることが良い傾向を生んでいるのかもしれない。」
2003年のOECD(経済協力開発機構)のPISA(生徒の学習到達度調査)で一位になってから、フィンランドの教育は世界から注目されている。生徒の創造力を引き出す授業の進め方によく焦点があてられるが、常に保護者・地域と三位一体になってカリキュラムの向上を図る学校、教師の姿勢が、より質の高い授業を生んでいるのではないだろうか。
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